倫理と安全

2月 2nd, 2007

フィリピン政府が移植を前提とした腎臓売買の事実上の公認に向け動き出した。
内容は、
外国人患者に〈1〉腎臓提供者(ドナー)への生活支援費〈2〉別のフィリピン人患者1人分の移植手術代を支払わせる。
ドナー生活支援費などが1万2000ドル(約144万円)、フィリピン人患者の移植代が円換算で96万~120万円相当とされ、外国人患者の手術・入院代とあわせ、外国人患者は総額5万ドル(約600万円)を支払うことになる。仕組み全体は政府が管理し、ドナーは民間のドナー支援団体「腎臓財団」を通じて生活支援を受ける。
と、いうもの。
600万という金額、日本は勿論、先進国にとっては、命を延ばしたいという代償には惜しくない額であろう。
現に今でも、闇でフィリピンに限らず実質的臓器売買は多く存在する。
この制度が導入されれば、世界中から腎臓を求めて人々が押し寄せるかも知れない。
自分にあったドナー(いや体)を探し買い取る。
なんだか、映画『アイランド』を観る想いがした。
それに医療技術、感染など医療的な懸念もある。
倫理観、安全性。せめてもの節度を保とうと政府が主導するのだろうか?