Comments are closed.
脳死移植
12月 18th, 2006
今日新聞には
「国内50例目が終了」と、報じられている。
臓器移植法施行(97年10月)から10年目、まだ50例なのね。(ちょっとびっくりした)
移植を待つ待機者は1万2300人を超えるという。
確かに難しい問題は多い。
でも、この症例の少なさが他の問題を生んでいるような気がする。
多額のお金をかけて海外に移植の希望をつなぎ渡る。でもそれは有る意味格差を生む。
闇の世界が絡む余地を与える。
なにが良いのかは分かりません。
でも、この進まないという現実が問題を生んでいるのでは?と思います。
2 Responses to “脳死移植”
脳死の問題はよく医学部入試の小論文で出題されています。この脳死の基準は非常に難しく、国民性・倫理性などが複雑で、それに宗教が入って来ると、判断が不確実になって来ます。
海外で移植するのはこのためだと思います。海外では、死に対する考え方が日本と違う部分があり、そのために移植が盛んに行なわれることがあります。また臓器売買の問題も国民性や宗教観が違うので、日本人がこの問題に対して言える立場ではない気がします。
ただ、日本の立法は遅いです。またその時代で脳死などに対する考え方が変わってくる事があります。つまり国会では常に「間に合わない」状況です。いつも後手後手に回っていますので、スピードが必要とも思います。
さて、ある宗教によっては、「血液には魂が宿る」として、輸血さえも快いとは思わない団体もあります。これは日本国内の宗教ですが、それなりのポリシーを持っている宗教団体と言えます。臓器移植の場合は、必ず他人の血液が混入する事となりますので、その団体はどう考えるかは判りません。
通常の人であれば、輸血も臓器移植も必要に応じてOKという事になります。但し、輸血や臓器移植は選抜淘汰の自然の法則からは逆行する事は確かです。例えば現在心臓に疾患を持った新生児は100人に1人の割合で生まれてきています。もし臓器移植で助かったとして、その新生児が結婚しないのであれば、問題はありませんが、心臓疾患が次の世代に遺伝するとなりますと、ちょっと問題になります。次々遺伝していきますと、心臓に疾患を持った新生児の割合が多くなる事になります。つまり良し悪しは別として、自然とは違う方向に進む事になります。
これに対して私は敢えて結論は出せません。
さて、医学部の脳死のテーマでの論文ですが、参考書に答えは、「良い・悪い」の結論は出さない方が無難という事になっています。
難しい問題です。
私も、良いか悪いかは分かりません。
自然淘汰の観点からか・・・なるほど。
と、は思えるものの、やっぱるわが身というか、特に身内や愛する者であればなんとか!と思ってしまいますしね。
どの辺でありあいをつけるか。
本当に難しい問題です。