永島慎二が死んだ

 漫画家の永島慎二が死にました。思秋期から大学時代まで少なからずも私の「生き方」に影響を与えた漫画家でした。漫画専門誌「COM」に連載された「フーテン」が本当の意味で最初の出会いでしたが、後になって、貸本で多くの作品を読んでいたことに気がつき、フアンになった原点は貸本にあったようです。
 「作品のストーリー」イコール「私の悩み」であり「私の青春」のように一時期のめり込んだものでした。愛とペーソスに満ちあふれた作品、生きることを深く考えさせられた作品でもありました。
 上京してからは、「夜明けの新宿」や阿佐ヶ谷の「ダンさん」行きつけの喫茶店に行ってみたり、追体験を何度かしたものでした。単行本を15、6冊持っていたのですが、友人に貸したきり帰って来ず、ほとんどが失われてしまいました。数冊の「COM」と単行本が残っているだけです。
 今朝の新聞で死を知り、猛烈に読みたくなって、「漫画家残酷物語」を注文してしまいました。「フーテン」は絶版になっていて、あるのはプレミアムのついた中古本だけのようです。
 1974年5月に短編「ククル、クク、パロマ」の版画をどうしても欲しくて購入しました。(学生時代一番の買い物?)開業以来、受付の近くの壁に飾っています。

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